9月くりくま園だより
くりくま通信 | 21.09.01
新型コロナウイルス感染症は、災害レベル!
コロナ新規感染者は、とうとう全国で2万5千人を超えました。(8/21現在)
当園でも、先月はじめ、職員1名が陽性となり、京都府(山城北保健所)、宇治市とも相談の上臨時休園(8/5)とさせていただきました。その節にはご心配をおかけしました。ご協力ありがとうございました。保育料・給食費の返還があります。今しばらくお待ちください。
予てよりお伝えしていますように、集団保育の場では、子どもたちは、「密」になりがちですし、触れ合って、関わり合って成長していきます。今回は、「感染経路不明で家庭内感染でもない」ケースで、どう考えても防ぎようがありません。同様のケースは、これからも増えてくると思われます。8月末から学校関係では2学期が始まっています。初日は宇治市内で219人の「感染不安」欠席があったようです。デルタ株への置き換わりが進んで、保育園児や小学校の児童等の中で、集団感染(クラスター)が発生する危険性が指摘されています。(もちろん、家庭内感染等、おとな⇔こども間の感染の増加が指摘されています。)休校だけではすみません。おとなの社会は、動いているわけですから・・・。その影響は、保育園の開園や保護者の就労にも及ぶかもしれません。
今回、当園では政府(内閣官房)のモニタリング制度を利用しPCR検査を全職員で受けました。結果は、全員陰性でした。エッセンシャル・ワークとしての児童福祉の現場で働き続けようとすれば無償で定期的なPCRの社会的検査が必要です。このモニタリング制度が10月末で終了します。コロナの一定の収束を迎えるまでPCRの社会的検査は「無償で、定期的に」必要です。その事が保護者の皆様に安心して児童を預けていただき、働き続けていただく基本になります。そして、何よりも無症状感染者を絞り込み、保護・生活の補償につなげる大事な検査です。今後、宇治市等行政にも働きかけていきたいと思います。国のリーダーは、「明かりがしっかり見えてきた。」と会見で話されましたが、国民にはどれが希望の明かりなのか理解できません。オリ・パラは実施しながら、「宣言」や「まん防」で、自粛を国民に押しつけるのではなく、ワクチン接種の率の向上とともに、上述の具体的政策が必要ではないでしょうか?今回の京都府への「宣言」発出(8/20~9/12は短い。政権の都合が優先されたらしい。)に際しての思いです。
現状が、上述のように「災害レベル」であるならば、公共の体育館等に臨時の医療施設の設置も必要ではないでしょうか?もちろん医療関係者や医療機器の配置が必要であることは言うまでもありません。(1年半以上、無策が続いた事が悔しい。)
首相が国民に自粛をお願いしても、医療関係に強い圧力をかけても、オリ・パラを強行実施している下では、説得力はありません。最近のコロナ感染の状況は、前述したように低年齢も罹りやすく、学校・職場・家庭内で、おとな⇔こども間の集団感染(クラスター)発生の危険性が高まっています。ご家庭でもより一層の感染防止対策をおとりいただき、身体に異常があれば、すぐに医療を受診してください。同居家族が発熱等体調不良で医療受診がない場合、園児本人をお預かりすることはできません。昨今の状況下での措置であることをご理解ご協力お願いします。
うんどう会にむけて
感染拡大の動向にもよりますが、10月はじめの「幼児うんどう会」。8月末よりその取組がはじまっています。
昨年よりコロナ禍の中でのうんどう会を模索してきました。コロナ禍の中で、保育園でのうんどう会のあゆみやあり方、児童が主人公としての行事をどう取り組むか?職員で話し合いました。昨年度の取組の反省をもとに今年は準備をしています。コロナ対策は勿論のこと、一人ひとりの子どもたちが輝いている姿を保護者のみなさまと共有したい。子どもたちに無理をかけずにありのままに近い様子でいてほしい。
昨年度の反省から今年は
- 10/2「幼児うんどう会」(こぐま・きりん・ぞう)
- 10/8「親子であそぼう」(うさぎ)
- 10/19 動画視聴(ひよこ)
- 10/22 動画視聴(りす)
という発達段階に応じた内容を準備しています。
それぞれ当日は、宣言発出中かどうかは分かりませんが、子どもたちとご家庭と園で、子どもたちの今ある姿を共有したいと思います。(コロナの感染拡大状況により、予定の変更もあるかもしれません。)
この夏、核兵器条約が話題に・・・アフガンも心配です。
8月6日広島。9日長崎。平和について考える76年目の夏がやってきました。
両市の市長は、被爆地・被爆者の願いとして強く訴えられたのは、「日本政府が、今年の1月22日に発効した核兵器禁止条約を一日も早く批准(ひじゅん)してほしい。」の一点でした。広島市の松井市長、長崎市の田上市長の、具体的で明瞭な熱い思いが伝わってきました。人類が平和を共有し、持続可能な世界を実現する唯一の方法は、核(「平和利用」も含め)廃絶です。被爆地の(ご高齢になられている)被爆者の思いを真っ正面に受け止めました。
一方、参加はされたのですが・・・、演説文の読み飛ばし、式典の遅刻は、唯一の戦争被爆国のリーダーとして、緊張感の無さが現れた出来事としてあわせて、記憶しました。
核兵器禁止条約は、核兵器を作ること、使うことは勿論のこと、持つこと、持つことで他国を脅すことも違法としています。国際条約としては、画期的な条約です。今では、人類が制御不能な核は、人類と共存できないことは、明白です。
従来の、「核抑止論」(核兵器の保持で国家間のパワーバランスをとる考え方)や「核の傘」(核保有国に頼って自国の安全保障の基本とする日本等の政策)は、真の意味での核兵器廃絶の障害です。「核抑止論」では、人類の未来は、ありません。行き着く先は、人類破滅につながる考え方です。それらの考え方に支配されている限り、際限のない資源浪費の軍拡競争から抜けることはできないでしょう。
新型コロナウイルス(コビット19)は、人類に、「真の意味での持続可能な社会の姿」を明瞭に描き出しました。自己責任や自助努力では、人類社会は継続しない。右肩上がりの経済成長は、望んでも実現しない。核の存在自体、人類の生存を危うくする。真剣に温暖化等地球環境の変化に人類あげて取り組まなければ、人類絶滅の道に突き進むこととなる。ウイルス感染症と地球温暖化は、同根の地球的規模の人類的課題を内包しているのではないでしょうか。
核兵器禁止条約を世界の根本的なルールにすることで、世界政治へ市民の参加を促し、各国が対等・平等な関係で、対話による外交努力を積み重ねる、真の意味での持続可能な未来社会が見えてくるのではないでしょうか?
長きにわたりアメリカ等が侵略を続け8月末で撤兵予定のアフガニスタン。タリバン政権がどんな政治をしていくのか?国民の間に不安が渦巻いています。武力や暴力による統治は、国民に受け入れられないでしょう。思い出されるのは、2019年12月に武装グループの凶弾に倒れ亡くなった医師の中村哲さん。アフガンの大地に用水路を掘り、不毛の土地に水を行き渡らせアフガンの人々が農業で生活できるように支援した。学校の建設も行った中村哲さんのことが、思い起こされます。軍事援助でない真の意味の国際貢献。日本国憲法第9条が世界の人々に信頼と安心感を与えている事は、中村哲さんの経験則であったようです。
他国と軍事同盟を結び、戦争できる国を目指すのではなく、地球に優しい持続可能なやり方を中村哲さんの生き方から学ぶべきだと、アフガニスタンの混乱を見るにつけ思わざるを得ません。武力・軍事力で国際紛争を解決することはできないし、それによる支配は、憎しみを増幅させて人々の間に非人間的な関係を持ち込むことにつながるのではないでしょうか?